松ヶ下宏之「Way to Happiness?」レビュー

だいぶ前に買った(笑)松ヶ下宏之さんのレビューを上げたいと思います。

まだ見ぬ広い世界へ
ツインギターのイントロからずんずんと心に迫ってくるアップテンポ曲。大人になるに連れてこの狭い世界の中で生きることを当たり前のように思っていた。そして、忘れそうになっていた広い世界を、これまでの自分の殻を破って、また歩いて行こうと言う強い決意が感じられます。

クローバー
ホーンセクションがちょっとアダルトなアップテンポナンバー。渋みのあるギターとピアノ、ホーンが上手い具合にハマっていて、特に間奏のそれぞれのソロがかっこよく決まってますね。すっかり仕事人間としてなれてしまった日々の中で、いつか君が見つけた「クローバー」さえ、今の自分では見つけられないというもどかしさを歌っています。

思い出の降る朝
ピアノといったバンド楽器と、弦のクインテットが美しいバラードナンバー。恋人との切ない別れの後、恋人への喪失感を描いた歌詞が、松ヶ下さんの温かい歌声に乗せられると、切なさが増します。

また君は綺麗になってゆく
バンドスタイルのミディアムナンバー。古くからの付き合いである男女。でも、だんだんと大人になって行くことで、「君」は綺麗さ、大人っぽくなっていく様を、主人公の「僕」と対比させることで切ない情景を描いています。

一日の終わりに
タイトルの通り、今日の君と僕の一日の終わりに振り返っている小品曲です。歌詞も少なく、演奏も穏やかで、寝入りに聴きたくなる作品ですね。


コーラスが美しいバラードナンバー。いつも笑顔で元気だと思っていた君。でも本当は辛いことも一杯あって、時に泣きじゃることもあることをようやく知った「僕」「君」にいつも頼りっぱなしでダメな「僕」は、励ますことも出来なくて、せめて雨の、心の「傘」をさすことで元気に戻ってくれたらという願いを歌に乗せています。

記憶の影
アコースティックサウンドに乗ったバラードナンバー。「君」と別れてしまった「僕」の残された記憶の中には当然「影」ともいうべき負の面もあるのですが、今はまだその中に包まれていたいという思いを、最小限の楽器を美しく使って、シンプルに奏でられています。

人形の祈り
バンドサウンドに乗ったミディアムテンポ曲。「ワルツ」といいながらも思いきり4拍子なサウンドに、実はちょっと笑ってしまいました(笑)しかしながら、「1,2,3」というリズムを特徴的に使って曲のメリハリがついていて見事ですね。人形と主人公を重ね合わせた歌詞も月夜の雰囲気とあっています。


ほとんど松ヶ下さんが奏でるバンドサウンドに乗った音は、切なくもどこか温かい作品に仕上がっています。大切な人との別れを、「嘘」という言葉と絡めてそれだけの曲を書けるのはさすがですね。

Walk
温かなミディアムテンポ曲。今は別の場所で暮らしている恋人だから、寂しさも募るものですが、それでもいつかまた出逢ったときにはもっと大きな自分になろうと前向きなところもあって、心の支えになっている存在というのが松ヶ下さんの温かな歌声と共に伝わってきて、優しい気持ちになれます。

Happiness?
アルバムタイトルにも使われているアップテンポ曲。やはりこの曲には思い入れが強いのか、コーラスに他の人も起用して雄大なイメージが広がっています。幸せとは何か、幸せを見つけるために探しているその先に、その下にこそ、きっと幸せはあるのでしょう。サビのコーラスが美しいです。

飛行機雲
アルバムの最後を飾るのは、スローテンポの楽曲。大人になって、どこかで忘れていた少年の頃の気持ち。ただ、前を向いていただけでは見つけられなかった、飛行機雲。少年の頃とオーバーラップさせて広がる空は、あくまでも、澄んでいて美しいものなのでしょうか。

全体的には、1stアルバムとは思えないほど、サウンドがしっかりしていて、アルバムとしても、とても作りこんでいる印象を抱きました。ただ、中盤にスローテンポの曲が多いのがちょっと難点でしたね。もう1つくらいアップテンポナンバーが入っていれば、とてもよいと思うだけに、ちょっと残念です。

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